2019年5月22日 弁理士試験 代々木塾 意21条2項の趣旨

2019年5月22日 弁理士試験 代々木塾 意21条2項の趣旨

【問題】意匠法21条2項
 意匠法第21条第2項において「関連意匠の意匠権の存続期間は、その本意匠の意匠権の設定の登録の日から二十年をもつて終了する。」と規定することとした趣旨について説明せよ。

【解答】
 平成10年改正において、本意匠に類似する関連意匠について同一人に限り意匠登録を認める関連意匠制度を創設した(10条1項)。
 しかし、本意匠の意匠権とその関連意匠の意匠権については権利の重複部分が生じることから(10条1項)、関連意匠の意匠権は、関連意匠の意匠権の設定の登録が本意匠の意匠権の設定の登録に遅れた場合でも、権利の重複部分に関して権利の実質的な延長が生じないようにする必要がある。
 そこで、関連意匠の存続期間は本意匠の設定登録の日から20年とすることとした(21条2項)。
 ただし、本意匠の意匠権が、存続期間の満了以外の理由、すなわち、意匠権の放棄、登録料の不納付、無効審決の確定を理由として消滅した場合については、本意匠と関連意匠の整理が便宜的なものであり、各々の意匠が同等の創作的価値を有することを踏まえ、関連意匠同士の関連性は維持しつつ、関連意匠の意匠権は存続するものとした。